意外と知らない、膝の痛みの原因


膝の痛みで悩む方は、世界でもたくさんいらっしゃいます。
中でも、変形性膝関節症は高齢者に多く現れます。特に日本は高齢化社会であり、海外と比較して、膝関節疾患の割合が増えてきています。

今回は膝の痛みの原因と治療法、予防策まで見ていきましょう。
まずは正しく病態を理解し、対策を打つことが大切です。

膝の症状について

膝の構造

膝は大きく分けて、大腿骨(太ももの骨)、脛骨(すねの骨)、膝蓋骨(お皿の骨)で構成されています。人体の中でもっとも大きな関節です。その関節の中や外に、靭帯や半月板、関節を包む袋(関節包)などの様々な組織が存在し、膝関節の衝撃を和らげたり、安定性を保ったりする役割を担っています。  

              
そのさらに外側には筋肉や筋膜、脂肪などがあります。

主な症状

  • 膝を動かすと違和感がある
  • 成長期にお皿の下が出っ張って痛む
  • 体重をかけると痛い
  • 曲げ伸ばし、もしくはひねった時に痛む
  • しゃがみ込みや正座ができなくなってきた
  • 押したり圧迫したりすると痛む
  • じっとしている時に痛む
  • 運動をしている時にだけ痛む

膝の症状にしても様々で、じっとしていて痛かったり、運動をしている時だけ痛むことなどもあります。また、人によっては朝方だけ痛む方や、寝る時だけ痛む方もいます。

膝の痛みで考えられる病態

膝の病態はたくさん存在しますが、その中でも一例をご紹介します。

  • 変形性膝関節症
  • 半月(板)損傷
  • 膝靱帯損傷
  • 膝離断性骨軟骨炎
  • オスグッド病
  • スポーツによる膝の慢性障害
  • 膝蓋骨脱臼
  • 腓骨神経麻痺
  • O脚・X脚
  • 膝関節捻挫

これらの病態がある場合は、まず専門の整形外科医に把握してもらう必要があります。
病態の状況によっては、固定が必要だったり、動かしてはいけないこともありますので、強い痛みや、痛みが長引く場合は一度見てもらうことをおすすめします。

膝の痛みの原因

怪我などの外傷以外で、膝の痛みがでる要因は以下の3つが、統計的に優位とされています。

  • 運動不足
  • 肥満および過体重
  • オーバーな運動や仕事

誰もが聞いたことのあるような当たり前な結果ですが、これ以外のはっきりとした原因は、いまいち現代の医学でもわかっていないのです。
膝の病気の名前はたくさんあるのに、原因がはっきりとわかっていない。そのため、膝の治療には難渋される方も多くいらっしゃいます。
しかし、そこであなたに知っていただきたいことが一つあります。

それは、膝関節の変形や損傷は必ずしも痛みとイコールでないということです。

整形外科疾患において、画像診断と症状が一致するかどうかは最近では現場で重要なテーマです。
一般的に、画像診断(X線、MRI、CTなど)は骨や軟部組織の細かな情報がわかるため、疾患の診断や治療方針の決定に役立ちます。
しかし、近年では画像所見と患者さんが実際に感じる症状が必ずしも一致するとは限らないということがわかってきています。

膝の痛みの治療法

まずは怪我などの外傷、腫れているなど、整形外科で原因がはっきりわかる場合は、医師の指示を仰ぎましょう。
注射などの処置で痛みが落ち着くケースもたくさんありますので、不安な場合は受診を検討してみると良いでしょう。
今回は、医療機関で原因がわからなかったり、治療を長期に渡って行なっていても改善しない場合の治療法をピックアップしていきます。

筋膜リリースなどの徒手治療

徒手療法はセラピストが手で触れて行う治療法です。
手技は様々であり、専門家が身体を評価して、その方に応じたアプローチを施します。関節に対するアプローチや、筋膜リリース、ストレッチなど多様です。
近年、日本でも整形外科の理学療法界隈では筋膜リリースの研究や教育が盛んに行われております。

体重減少

いわゆる食事調整です。体重が増えることで膝へかかる負担がかなり大きくなると言われています。
しかし、筆者の考えとしては、体重が減ることよりも、栄養状態が変わると、代謝などが改善し、炎症反応など、身体の細かな変化が現れ、膝の痛み軽減に繋がっているのではないかと考えています。

筋力トレーニング

筋力をつけることによって、膝の痛みが和らぐという研究は多くあります。
ただ、どのように、どこの筋力をつければいいかは実際に専門家に見てもらう必要があります。
反対に悪化するような筋力トレーニングもありますので、注意が必要です。

予防策

現在の医療では、膝の痛みに対しては筋力トレーニングやストレッチなどの運動がより根拠のある治療法になっています。しかし、理学療法士的な観点で見ると、痛みを持ったまま運動しても、身体をかばったり、痛みを悪化させてしまうケースが多い印象です。
そのため、運動をする前段階として、痛みの軽減をする必要があると思われます。

まずは痛みのある部分の観察からはじめて見ましょう。
腫れ具合、曲げ伸ばしのしやすさ、押した時の痛み、痛む時間帯や場所。それらはご自身でチェックする必要があり、専門家にはわからない情報です。
膝の症状を観察したあとは、痛みのセンサーを適切にしていく必要があります。
次に、手で触れてみましょう。もちろん痛い部分を強い力で圧迫してしまうと、痛みが強くなってしまう場合もあります。そのため、最初は手を添えるくらいの強さで、皮ふを撫でるようにマッサージをしてみましょう。
膝の裏や、表、横など、様々な場所をいろいろな方向でマッサージしていくと、他よりも硬い部分や柔らかい部分があるかもしれません。その部分に刺激を与えて、楽になった感覚があれば、もしかしたら痛みのセンサーが異常になっている可能性があります。

痛みのセンサーについて詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

【”筋膜”とは?痛みの原因に深く影響】

GymNatでは痛みのセンサーを適正にする施術や、動きの改善をメインに行なっています。
もしどのようにケアをしたらいいかなど、膝についてご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

Q&A

Q.膝に溜まった水を抜かない方がいいというのは本当でしょうか?

A.水を抜いて楽になることもあるので、医師と相談をして抜いても良いと思います。
ただ、膝の水を抜くとクセになるというのは誤りです。膝の中に水がたまるということは、膝のどこかで炎症が起きているということです。炎症が治らない限り、注射で溜まった水を抜いてもまた溜まるを繰り返してしまいます。注射で水を抜くとクセになるというよりは、根本的に炎症が治っていないと言えるでしょう。そのため、日常的に膝にストレスがかかっていないかどうかをしっかりと見極める必要があります。

Q.膝の曲げ伸ばしなどでポキっという音がします。痛くはないのですが大丈夫でしょうか?

A.痛みや違和感がない場合は、問題ないこともあります。痛みや違和感も伴う場合は、変形性膝関節症やタナ障害などが考えられますので専門医に相談ください。

まとめ

膝の痛みは、多くの人にとって身近な問題でありながら、その原因や適切な対処法については意外と知られていません。今回の記事では、膝の構造や主な症状、考えられる病態、そして現代医学における診断の限界について解説しました。

特に重要なのは、「膝の変形=痛み」ではないという視点です。画像では異常が見られても痛みを感じない人もいれば、逆に画像で異常が見つからなくても強い痛みを訴える人もいます。だからこそ、「見る・触る・感じる」といったご自身の感覚を大切にし、早期に専門家に相談することが何よりも重要です。
予防やセルフケアの第一歩は、まず自分の膝をよく観察すること。無理のない範囲で触れたり、動かしたりしながら、体からのサインに耳を傾けてみましょう。

GymNatでは、痛みのセンサーを適正に整え、動作を改善していく施術を行っています。膝の痛みにお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの「本来の動き」を取り戻すお手伝いをいたします。

痛みでお悩みの方は
GymNatにご相談ください。

痛みをなるべく早く改善するためには、
医療の知識・経験が豊富な専門家へ直接相談することがオススメです。

ご予約はこちら
© GymNat Inc.