【テニス肘(外側上顆炎)とは?】原因と対処法を理学療法士が解説

目次
テニスをしていないのに「テニス肘」?
「テニス肘」とは、正式には”上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)”と呼ばれ、肘の外側に痛みが出る障害です。
名前の通りテニス選手に多く見られるため「テニス肘」と呼ばれていますが、実際には以下のような方にも多く発症します。
- パソコン作業が多い方
- 手作業の多い主婦・職人さん
- スマホを長時間操作する方
- 重いものを持つことが多い仕事の方
「手を使う頻度」が多い人全般に起こる障害とも言えるでしょう。
テニス肘の主な症状
- 肘の外側がズキズキ痛む
- ペットボトルのフタが開けにくい
- フライパンを持つと痛む
- パソコンのマウス操作で痛む
- タオルを絞ると肘が痛い
このように、前腕(肘から手首まで)の使いすぎにより、筋肉の付け根(肘外側)が炎症を起こし、痛みが生じます。
テニス肘の原因:本当に「炎症」だけ?
一昔前までは「使いすぎによる腱の炎症」が原因とされていましたが、最近の研究では筋膜の癒着や滑走障害、筋力低下、姿勢の問題など、より複合的な要因が関与していることが分かっています。
自分でできるテニス肘のストレッチ
前腕伸筋群のストレッチ
前腕の筋肉(特に手首を反らす筋肉)をストレッチすることで、負担を減らすことができます。
方法
1)肘を伸ばして前に出す
2)手のひらを下に向け、反対の手で手の甲を掴む
3)ゆっくりと手首を下に曲げ、前腕に伸びを感じる
4)この状態で15〜30秒キープ×2セット
ポイントは痛みが出ない範囲で行うことです
ただ、このようなストレッチは医療現場やネット情報でよく取り扱われるのですが、慢性的なテニス肘の場合は、これだけでは解決できないことも多くあります。
そこで慢性的なテニス肘で有効なのが、筋膜リリースです。
テニス肘に対する筋膜治療(筋膜リリース)
筋膜とは?
筋肉を包む薄い膜のことで、全身に張り巡らされています。動きのクセや姿勢の悪さ、過剰な反復動作で、この筋膜が「癒着(ゆちゃく)」してしまうと、痛みや可動域制限が出ます。
詳しくは”筋膜とは?”をご覧ください。
テニス肘と筋膜の関係
実は、肘の外側が「本当の原因部位」ではないケースも多く、以下のような場所の筋膜の問題が影響していることもあります。
- 上腕(腕の外側)
- 肩甲骨周囲
- 胸郭・背中の筋膜
- 手首や手のひら
例えば、美容師さんでテニス肘になった方がいらっしゃいました。その方はハサミを毎日使うため、親指周りの筋肉の使いすぎでその周りの筋膜が癒着し、肘に痛みが出てしまっていたというケースもあります。
そのため、筋膜リリースでは、他の施術と異なり、「肘に負担をかけている背景」まで深掘りしてアプローチするため、痛みが出ている場所だけ施術するのではなく、さまざまな箇所を考慮してアプローチしていきます。
まとめ:テニス肘は“肘だけ”の問題ではない
テニス肘は、肘の外側に痛みが出る障害ですが、その背景には使い方のクセ・筋膜の癒着・姿勢の乱れ・筋力低下など、さまざまな要因が絡んでいます。
湿布や痛み止めだけでは、一時的に良くなっても再発するケースも多く見られます。
ジムナットでは、
- 筋膜リリースによる原因部位へのアプローチ
- 動作分析をもとにした再発予防
- ストレッチ・筋トレの指導
などを通して、「納得できる痛みの理由」と「再発しない体づくり」をご提案しております。
痛みや不調でお困りの方は一度お気軽にご連絡ください。