首の痛みの背景にある原因とは?治療法も詳しく解説!

首の痛みやだるさは、腰痛や肩の痛みに次いで多い症状です。それくらい日本では、首に症状を抱えている方が多い現状があります。
こんなに首の痛みやだるさでお悩みの方が多いのに、具体的な治療法や解決策が明確になっていないのはなぜでしょうか?
そこで、今回は首の痛みの原因と解決策について詳しく説明していきます。
目次
首の症状について
首の構造
まずは、首の内側から外側までを説明していきます。
一番内側には骨があり、そこには骨と骨が隣接している関節があります。首は大まかに、頭蓋骨と、その下の7つの骨で成り立っています。

整形外科のレントゲンで見てもらうと、骨や関節の部分がわかりやすくうつります。
その骨や関節の外側には筋肉、筋膜、脂肪、さらに外側に皮膚があります。

この中には神経やリンパ、血管がたくさん通っています。
このエリアの症状はレントゲンでは分かりづらく、詳細な検査にはMRIや超音波(エコー)が必要になります。大まかに、以上のような構成で首が成り立っています。
よくある症状
首の症状は以下のものがよく見受けられます
- 常にだるおもい感覚や痛みがある
- 肩、背中、目が凝っている感覚
- 首を上下左右に動かせない、硬さがある
- 集中できない
- 朝起きた時や仕事後のこわばり
- 肩〜腕、手にかけてシビレが生じる
- 腕や手が冷える
首の痛みで考えられる病態
- 頸肩腕症候群
- 変形性頚椎症
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 寝違え
- 肩こり、首こり
- むち打ち損傷などによる頚椎捻挫
- 頚椎後縦靭帯骨化症
- リウマチ性脊椎炎
- 胸郭出口症候群
- 転移性腫瘍
- 炎症性斜頸
※引用:標準整形外科(医学書院 総編集者;松野丈夫,中村利孝) P106
むずかしい名前ばかり並んでいますが、上記疾患名はあくまで一例で、首の症状は診断がついたからと言って必ずしも症状が一致するとは限りません。
まずはご自身の病態がどういった状態なのかを知ることが大切です。
そのため、よくある症状に少しでも当てはまり、1ヶ月以上同じような症状が続く場合は、一度近くの整形外科に受診されることをおすすめします。
首の痛みの原因
首の病態については様々ですが、症状と関連している原因について見てみましょう。
首の痛みは、多くの要因で引き起こされる可能性があり、以下のような生理的、外的、精神的な要素が関連していることが多いです。
筋肉疲労と姿勢の問題
長時間の不良姿勢やデスクワークが筋肉に負担をかけ、首のこりや痛みを引き起こします。
反復動作と筋疲労
筋肉疲労が蓄積することで首周りに慢性的な痛みが発生することがあります。近年では、反復的な動作が原因で筋肉の疲労が蓄積することが、慢性痛の要因として報告されています。
交通事故や外的外傷
交通事故によるむち打ち症など、外的な衝撃が首の損傷を引き起こします。特に急加速・減速による頭部への負担は、首や脳にダメージを与える可能性があります。
ストレスと精神的要因
精神的なストレスも筋肉の緊張を引き起こし、特に首や肩周りに影響します。長期間のストレスが痛みの慢性化に寄与する場合があります。
首の痛みは、日常の姿勢、外傷、精神的なストレスなど多岐にわたる原因によって引き起こされます。適切な姿勢の維持やストレス管理、外傷の予防が重要です。反復動作に伴う疲労の蓄積を避けることも、慢性痛の予防に役立ちます。
治療法
今回はレントゲンやMRIなどの画像での検査で大きな問題がなかった場合の治療法についてお伝えしていきます。統計的に優位な治療法は以下と言われています。
運動療法(特に運動を制御するエクササイズ)
頸部の深層筋の運動制御を改善するエクササイズは、痛みの軽減と障害改善に有効です。研究では、頭の安定性を強化する運動が、痛みの緩和に寄与することが示されています。
徒手療法(モビライゼーションとマニピュレーション)
徒手療法とは、セラピストが手で行う治療のことです。特にモビライゼーションは、患者の動きをサポートしながら関節の可動域を広げるのに有効です。頸部の操作に加えて胸部へのアプローチも、痛み改善に中程度の効果が確認されています。その中でも筋膜リリースの有効性が近年数多く示されております。筋膜リリースについてはこちら。
ヨガや太極拳などの統合的運動
ヨガやピラティス、太極拳は、身体的および心理的な健康を同時に促進することで、慢性頸部痛の軽減に効果があるとされています。
経皮的電気神経刺激療法(TENS)
TENSは、皮膚を介した電気刺激で痛みを緩和する方法です。慢性痛の緩和に有用であるとの報告がありますが、エビデンスの質は限定的とされています。
認知行動療法(CBT)
頸部痛に関連する不安や抑うつを緩和し、痛みの自己管理能力を高めることを目的とした心理療法です。
これらの治療法は、個々の症状や原因に応じて選択されるべきです。適切な治療を受けることで、首の痛みの軽減や予防が可能になります。
予防策
首の痛みを予防するためには、以下のようなポイントを心がけましょう。
- 正しい姿勢を維持する
- 定期的にストレッチを行う
- ストレス管理を心がける
- 適度な運動を取り入れる
これらの予防策を実践することで、首の痛みの発生を防ぐことができます。
Q&A
Q: 肩こりと首こりは一緒ですか?
A: 一緒とされることが多いです。肩の筋肉と首の筋肉は密接に繋がっていますので、全く関係していないという方が稀です。
Q: 首の痛みはどれくらいの期間続くものですか?
A: 原因によりますが、急性の場合は数日から数週間、慢性の場合は長期間続くことがあります。
まとめ
首の痛みは、筋肉疲労や姿勢、外傷、ストレスなど様々な要因によって引き起こされます。正しい姿勢の維持や適切な治療法を知ることが、痛みの軽減と予防に繋がります。もしも、長期間にわたる痛みや症状があれば、専門の医師に相談することをお勧めします。